戦時中に製造された陶貨幣の発見について
株式会社松風(しょうふう)において、戦時中に松風工業株式会社(昭和42年に解散)が製造した陶貨幣が大量に発見され、このたび造幣局に引き渡しを受けました。
陶貨幣は、戦時中に貨幣材料の金属が不足したことから、約1,500万枚製造したものの終戦を迎え、実際に使用されることなく破棄され、「幻の貨幣」と言われています。
発見された1銭陶貨幣
このたびの引き渡しに際し、感謝の意を表し、同社へ感謝状を贈呈し、合わせて陶貨幣100枚を寄贈いたしました。
(写真右側から)
株式会社松風 代表取締役社長 社長執行役員 髙見 哲夫 様
造幣局理事長 後藤 健二
現在調査中ではありますが、引き渡しを受けた陶貨幣は1銭陶貨幣50万枚を超える見込みです。造幣局においても所有しておりますが、今回多くの陶貨幣が発見されたことで、太平洋戦争末期の貨幣製造事情について、新たな発見があるのではないかと期待しています。
今後は、造幣局に残っている収蔵資料も参照しながら、発見された陶貨幣の状態を詳しく調査する予定としており、それにより当時の製造の様子についてもより詳しく解明できればと考えています。