貨幣のデザイン
ここでは、知っているようで知らないお金のデザインについてご紹介します。
いつもみなさんが使っているコインには、いろいろな模様が描かれていますね。
それぞれのデザインは日本人になじみの深い植物などを使用しているだけでなく、その貨幣が最初につくられた当時の社会状況が反映されているものもあります。
また、大きさや素材なども時代によって変わってきています。
それぞれの貨幣のデザインや素材などについて少し調べてみましょう。
1円アルミニウム貨幣
現在製造している貨幣の中で、1番古いのが昭和30年に発行された1円で、平成17年で50年を迎えました。
この1円のデザインは、一般公募で選ばれました。表と裏のデザインはそれぞれ審査され、別の人が選ばれています。以来現在までこのデザインは変わっていません。「若木」のデザインには伸びゆく日本が象徴されています。
図柄 | (表)若木/(裏)1 |
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素材 | アルミニウム |
品位 | 純アルミニウム |
直径 | 20.0mm |
重さ | 1.0グラム |
発行年 | 昭和30年 |
5円黄銅貨幣
5円のデザインは、当時の日本の主な産業(稲穂が農業、水が水産業、歯車が工業)を表しています。裏面の双葉は、戦争(第2次世界大戦)が終わって新しく民主国家になった日本を象徴しているといわれています。
このデザインは、5円玉が昭和24年8月に有孔(穴のあいている)貨幣として発行されてから同じですが、昭和34年に日本国の「國」の字を「国」に改め、書体も楷書体からゴシック体に変更しました。
図柄 | (表)稲穂、歯車、水 (裏)双葉 |
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素材 | 黄銅 |
品位 | 銅 600~700/亜鉛 400~300 |
直径 | 22.0mm |
重さ | 3.75グラム |
発行年 | 昭和34年 |
10円青銅貨幣
10円に描かれている平等院鳳凰堂は、京都府宇治市にあります。世界文化遺産に登録されている平等院鳳凰堂は藤原頼通が、この世に極楽浄土のようすをつくろうとして建てたもので、堂には阿弥陀仏の像が安置され、周りの壁には、阿弥陀仏が人々を救うために迎えにくる様子が描かれています。
図柄 | (表)平等院鳳凰堂、唐草 (裏)常盤木、10 |
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素材 | 青銅 |
品位 | 亜鉛 40~30/ 銅 950 すず 10~20 |
直径 | 23.5mm |
重さ | 4.5グラム |
発行年 | 昭和34年 |
50円白銅貨幣
最初の50円は昭和30年にニッケルという金属でつくられ、1円と同様、公募によりそのデザインが決定されました。その時の50円は、まだ穴あきではなく、大きさも25.0mmと、今より大きいものでした。その後100円がつくられた時、色や大きさが似ていて間違いやすいということから、50円は穴あきとなりデザインも新しく公募で選ばれました。
現在の50円は、100円が銀貨幣から白銅貨幣に変更されたとき、50円も白銅貨幣になり、現在の大きさになりました。50円の表には、デザインを変えながらずっと菊が描かれています。
図柄 | (表)菊花 (裏)50 |
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素材 | 白銅 |
品位 | 銅 750/ニッケル 250 |
直径 | 21.0mm |
重さ | 4.0グラム |
発行年 | 昭和42年 |
100円白銅貨幣
現在製造している100円と50円は同じ昭和42年に誕生しました。それまで銀貨幣だった100円が材料である銀の値段が高くなったことなどから、白銅貨幣に変更され、同時に50円も白銅貨幣になりました。100円の表のデザインは、鳳凰から稲穂、そして現在の桜と変わってきています。
図柄 | (表)桜花/(裏)100 |
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素材 | 白銅 |
品位 | 銅 750/ニッケル 250 |
直径 | 22.6mm |
重さ | 4.8グラム |
発行年 | 昭和42年 |
500円バイカラー・クラッド貨幣
昭和57年に登場したのが、500円白銅貨幣です。それまでの貨幣は100円が最高額でしたが、自動販売機等が急速に普及し、その自動販売機で買える品物の値段も高くなってきたことなどから500円がつくられることになりました。表には桐が、裏の上下には竹、左右に橘が描かれています。その後、偽造・変造防止のため平成12年にニッケル黄銅貨幣に、令和3年にバイカラー・クラッド貨幣に変わりました。新しくなった500円は図柄は同じですが、偽造を防止するためにいろいろな工夫がされています。
図柄 | (表)桐 (裏)竹、橘、500 |
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素材 | ニッケル黄銅、白銅及び銅 |
品位 | 銅 750/亜鉛 125/ニッケル 125 |
直径 | 26.5mm |
重さ | 7.1グラム |
発行年 | 令和3年 |