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特別展の見どころ紹介(1)(2021年5月13日)

造幣局創業150周年記念特別展シリーズⅠ期「1円をめぐる歴史の旅~造幣局150年の歩み~」(本年4月29日からの開催を予定しておりましたが、造幣博物館の臨時休館に伴い開催を延期しております)の開催に先駆けて、当館学芸員が今回から複数回にわたり、特別展の見どころを紹介していきます。
特別展が開催されましたら、ぜひお越しください。

この特別展は「1円」の歴史を通して造幣局150年の歩みを振り返ろうという企画です。

造幣局の創業式が行われたのは今からちょうど150年前、1871年4月4日のことです。
同じ年、「新貨条例」という法規が制定され、「円・銭・厘」という単位とともに「1円」が生まれました。

それ以来、1円貨幣は、製造が中断された期間もありましたが、現在も造幣局で製造が続けられています。

今回は、特別展の見どころとして「鋳造場總体出来形繪圖」という資料をご紹介します。
見慣れない漢字が並んでいますが、「ちゅうぞうじょうそうたいできがたえず」と読みます。

(写真)鋳造場總体出来形繪圖の写真1

「鋳造場」というのは「金銀貨幣工場」、つまり貨幣を作る工場のこと。
すなわちこの絵図に描かれているのは、創業間もない時期の造幣局の姿です。
貨幣工場の建設は、明治元(1868)年から始まりました。
設計と工事監督を担当したのはお雇い外国人のウォートルスという人物です。
途中、工事現場の火事や資材の輸送船の沈没といった災難にも見舞われましたが、建設開始から約2年後、明治3年8月にようやく完成しました。

桜の名所として知られる桜宮の対岸に、突然建設された巨大な洋式工場。
当時の大阪の人たちは、驚きと興味でいっぱいだったのではないでしょうか。

造幣局は、創業式の次の日から3日間、構内を開放し、一般の見学を許可しました。
『造幣局百年史』には、竣功したばかりの鉄柵が押し倒され、負傷者が出る程の賑わいだったとあります。

(写真)鋳造場總体出来形繪圖の写真2

この金銀貨幣工場の正面玄関は、昭和初期の改築工事によって移築され、「旧桜宮公会堂」の一部として現在も見ることができます。
造幣博物館にお越しの際は、ぜひこちらも併せてご覧ください。

※旧造幣寮鋳造所正門玄関(旧桜宮公会堂)の場所につきましてはこちらをご覧ください。

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